日本国内にある一戸建ての空き家のうち52%が相続が原因となっています。
空き家は様々な問題を引き起こします。
古くなった家は崩落する可能性が高くなります。
誰も住んでいない家は朽ちる速度が速くなるからです。
地域に空き家が増えると治安が悪化します。
周囲の住民からすれば重大な問題となります。
現在では都内の好立地であっても空き家が存在します。
政府は現状を打破するために新しい税額控除の制度を2016年4月より新設しました。
今回は制度が始まった背景と利用するための条件、使う場合の注意点についてご紹介します。

古い家は譲渡所得が大きくなりがち
親が住んでいた古い一軒家。
相続であなたの所有となった空き家をどうするか、多くの人が悩む問題です。
相続した空き家を売却する場合、譲渡所得が大きくなり税金が重くなります。
これには理由があります。
1970年代までに建てられた一軒家は建築時の土地取得費が驚くほど低くなっているからです。
譲渡所得の計算は売却金額から取得費や経費を差し引いて算出します。
昔の日本は土地の価値が低く、格安で家を建てることが出来ました。
現代の価値で売却すると大きな金額が譲渡所得となってしまうのです。
いくらで土地を取得したか分からないケースも多いと思います。
この場合は売却価格の5%が税務上は取得費として認められます。
売却した金額のほぼ9割程度が譲渡所得となり、課税の対象となります。
相続した一戸建てを売却すると多額の税金が必要になり、二の足を踏むケースが多くなっていました。
税金の課題を解決するために新設されたのが、相続した空き家を売却したときに利用出来る税額控除なのです。
相続空き家の売却で3000万円控除を利用する条件
2016年4月から新設された税額控除は譲渡所得から3000万円を特別控除します。
6つの条件が設定されているため、利用するためには事前に準備が必要となります。
この制度を利用できれば、通常通り売却して譲渡所得に課税されるケースと比べて最大で600万円の節税を行う事ができます。
まずは6つの条件を下記に列挙します。
①:1981年5月までに建てられた一戸建て
②:亡くなったひとが1人暮らしをしていた自宅
③:相続発生以降、誰かが住んだり、誰かに貸したり、事業を行ったりしていない
④:相続が発生してから3年後の年末までに売ること
⑤:建物を解体するか、新耐震基準を満たすように改修してから売ること
⑥:売却価格が1億円以下
見ていただいた通り、かなり厳しい基準となっています。
緩和される可能性もありますが、現状はこの基準が必要となります。
耐震基準を満たすためにリフォームを行うと余計なコストが必要になるため、更地にしてから売却する人が増えています。
ただし、更地にしてから売却する場合は注意が必要になるので次の項目をしっかり読んでから方針を決めましょう。
新制度を利用する時に注意が必要なポイント
先ほども少し触れましたが、新制度を利用する場合は古い一軒家を解体して更地に戻す必要があります。
ここで注意が必要になります。
土地の買い主が見つかっていない状態で更地に戻してしまうと、予定外の高額な固定資産税を支払うことになります。
空き家が建っている住宅用地は固定資産税が本来の6分の1に優遇されています。
解体を行って、更地に戻すことで税務上は住宅用地ではなくなります。
更地になることであなたの税負担は4倍程度増えることになるのです。
固定資産税の課税基準は1月1日です。
更地に戻すのであれば新年早々がオススメです。
空き家を解体した年の年内に土地の売却を完了させれば問題ありません。
買い主が見つかってから空き家を解体するケースも考えられますので、あなたに適したパターンを利用しましょう。
土地の価値を知ることからスタート
相続した時はバタバタしていて、空き家が建つ土地の価値を理解していないことがよくあります。
どうせあんな家の価値なんて大したことないだろう。
多くの人がこう考えて放置してしまいがちです。
しかし、あなたが相続した土地は大きな市場価値を持っている可能性があります。
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